ようこそ 平和のまちミュージアムへ

-北九州市平和のまちミュージアムについて-

 先の大戦から70年以上が経過し、戦争を知らない世代がほとんどとなる中、戦争の記憶が風化していることが懸念されています。
当時、北九州地域と呼ばれた北九州市においても、市民が戦災に遭い、戦時中はもちろん戦後も過酷な生活を送っていたことも遠い過去の物語となりつつあります。
そのため、貴重な市民の戦争体験や戦時下の暮らしを物語る日用品等を展示し、戦争の悲惨や平和の大切さ、命の尊さを考えるきっかけづくりを目的に、平和のまちミュージアムを開館しました。
平和のまちミュージアムでは、戦時下の人々の暮らしの他にも、空襲の被害、原子爆弾と小倉、戦後、復興を果たした“まち”をテーマに、事実に即した分かりやすい展示や映像・音響技術を駆使した展示また、戦争に大きく影響された子どもたちの暮らしや心情を実感できる、子どもたちの目線に立った展示に取り組みます。
このような展示を通して、来館される方々にとって、当時の人々の気持ち等に思いを馳せ、改めて、平和の大切さを考えるきっかけとなるよう、また、“まち”への誇りや愛着の心が醸成するよう努めてまいります。
さらに、平和のまちミュージアムでは、これら館内の展示に加え、子どもたちはもとより幅広い世代の方々が参加できる様々な事業にも取り組みます。
現在、「戦争を知らない世代」が「知らない戦争」を後世に伝えていくという時代を迎えつつあります。
平和のまちミュージアムは、本市で起きた戦争の悲劇に向き合い、改めて、平和の大切さを感じていただける貴重な施設として認識され、多くの皆様にご利用いただけるよう、努力を重ねてまいります。

館長挨拶

館長挨拶

結局、私たち人間の世界では、再び戦争が繰り返されるのかと、絶望的な思いを抱かざるを得ない2022年春に、北九州市平和のまちミュージアムは開館しました。
このミュージアムの目的は、かつて日本が戦争をしていた時代を、そのころ北九州で暮らしていた人々がどう経験したのか、今の私たちに重ねながら戦争を具体的に考えるきっかけを提供することです。

実は、多くの方々と同様に、私も戦争を経験した世代ではありません。遠い時代の出来事に思いをはせて、それを今を生きる我が事としてどうとらえていくか、皆さまとともに、このミュージアムを通して学んでいこうと思っています。
 もちろんみずからが経験していないことは、知識にしかなりません。しかしその単なる知識を、どれだけ自分の思いとともに切実に受け止めることができるかが大切でしょう。まずは展示されたかつての戦時下の北九州の写真やグラフィック資料、実物資料に接しながら、そこにうつっている人物やそのモノに関わっていたであろう人びとに、皆さまのそれぞれの立場にしたがって自分を重ねてみてください。遠い時代の人びとの経験について考えるとは、そうした想像力の可能性を広げることです。
一人一人のその想像力を研ぎ澄ます場として、このミュージアムを使ってください。そしてその力は、遠い場所で戦争のもとにある人たちを想うことにも、きっと通じるはずです。私たちはミュージアムの常設展はもとより、そこでは伝えきれないことについても、企画展や講座などを通して、より深く皆さまの想像力にうったえていきたいと考えています。

 またこのミュージアムには、北九州を中心に戦時中の資料を集め、研究をすすめるというもう一つの重要な役割があります。約八十年前の資料や記憶は、今が、集めていく最後の機会であると考えています。これには、皆さまからの情報提供など、ご協力をあおがねばなりません。一見紙クズに見える戦時中の印刷物、押入れのなかの捨てられずにいる戦争に関わる忘れ形見・・・、どんな情報でもかまいません。是非、お知らせください。そして特に、当時を体験された方は、どうかどうか、その記憶をお聞かせください。

 私たち北九州市平和のまちミュージアムのスタッフ一同、ここを北九州の皆さまにとってかけがえのない場の一つとして育てていこうと、時代の状況に絶望せずに、静かに燃えています。

令和4(2022)年4月19日
北九州市平和のまちミュージアム 館 長 重信 幸彦

館長写真