北九州市平和のまちミュージアム
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    入館は 17:30 まで

    学芸員日記

    長崎~小倉 次世代交流平和推進事業②

    2022/11/04

    Vol.40 令和4(2022)年11月4日

     10月28日(金)~29日(土)の2日間、「長崎~小倉 次世代交流平和推進事業」の長崎派遣へ本市の大学生等13名とともに参加しました。(本事業の目的や事前研修会の様子は、 学芸員日記Vol.38『長崎~小倉 次世代交流平和推進事業①』をご覧ください。)

     派遣の中で私が特に印象的だったのは、長崎の原爆被爆者である山川剛(やまかわ たけし)さんが直に語るのを目の当たりにした参加者の動揺でした。「次世代に平和を繋いでいくために自分たちに何ができるのか」という課題意識を持ちのぞんだ派遣でしたが、「あの日」を体験した被爆者の圧倒的な語りに対する不安が透けて見えるようでした。講話後、しんと静まり返る会場で、山川さんは先述の課題について壮大なテーマであるとした上で、「当事者でなければ伝えられないというのは誤り」だと述べ、「なぜ後世に残さないといけないのか、自分の想いをプラスする」ことが大事だとのアドバイスをいただきました。

     また、「事実を事実のまま残す、そこに価値判断はいらない」とし、長崎では戦後、被爆した建物がほとんど撤去されていることを悔やまれていました。これはミュージアムの展示を考える上でも、非常に重要な言葉であると感じました。

     派遣のメインイベントである平和を訴える「市民大行進」には、約700名の長崎市民とともに行進に参加しました。その際、長崎の田上富久市長より激励の御言葉を頂戴するとともに、出発式において「特別ゲストとして北九州市から若い皆さんが平和への想いを持って参加」と紹介していただきました。

     また、長崎の青少年ピースボランティアと協力し、行進に参加した子どもたちへの風船配布やゼッケン回収など、北九州市の代表としてボランティア活動も行いました。市民大行進のゴールとなる爆心地公園で、平和への願いを込めた色とりどりの風船が大空を一斉に舞う光景は壮観でした。

     事前研修から派遣を通して参加者の顔つきが次第に変わっていき、真摯に戦争や平和に向き合っている姿が見られました。今回の経験をきっかけに参加者それぞれが考えたことを行動に移していってくれることを期待しています。私も若いパワーに負けぬよう、より一層精進していきます!                   

    (学芸員M)

     

     

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