北九州市平和のまちミュージアム
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    学芸員日記

    女学生と学徒動員 ~折尾高等女学校3年生の日記より~

    2022/11/18

    Vol.42 令和4(2022)年11月18日

     写真の資料は、折尾高等女学校(現 折尾高校)の学生だった方が、戦時中の昭和19(1944)年8月から12月まで記していた日記です。

     日記を開いてみると、学校の授業に関する記述とともに、様々な場所で働いている記述も目立ちます。いわゆる「学徒勤労動員」です。

     戦時下の日本では、大量の兵士が召集されたことにより労働力が不足していました。そこで、中等学校(現在の中学校)以上の生徒が工場や農作業に動員されるようになります。日記が書かれた昭和19年には、「決戦非常措置要綱」が閣議決定され、「勤労即教育」というスローガンのもとに、通年での学徒動員が行われることとなりました。

    日記には、どのような作業を行っていたのかがはっきりと記録されています。

    ある時は遠賀郡水巻町にあった(にっ)(たん)高松炭鉱で石炭の積み込み作業を行い、またある時は、学校内で軍服の修繕作業を行っています。11月に入ると、月の半分程度、稲刈りや豆植え等の奉仕作業に携わっていました。

     ただ、戦争への貢献度という意味でご本人にとっては満足できないものであったらしく、ある日の日記には「早く生産第一陣で活躍をしてみたい」という記述があります。12月20日に「晴れの動員」がくだった時には、「飛び立つばかりに喜んだ」のでした。この後、こちらの方は小倉陸軍造兵廠で風船爆弾の制作に携わることになるのですが、日記はこの日で終わっています。

     こちらの資料は、現在開催中の企画展「令和4年度 収蔵品展」にて展示しています。一部を活字化したものを手にとってご覧いただくこともできますので、ぜひご来館ください。

    (学芸員O)

    【参考文献】

    福嶋寛之「教育の戦時 学徒勤労動員と教育の存亡」(『史学雑誌』114-3、2005年)

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