スタディツアーの季節がやってきた
2023/06/09
No.67 令和5(2023)年6月9日
6月より今年度のスタディツアーがはじまりました。今週は早速、北九州市内8校から500名を超える児童が平和のまちミュージアムを見学してくれました。
その中で、過去にもミュージアムに来たことがあるという児童が「以前と変わらないことが怖い」という感想を伝えてくれました。「変わらないこと」というのは、展示に対する感想なのか、自身の気持ちなのか、世界の状況なのか。結局、何が変わらないのか聞けずじまいでしたが、児童から発せられる素直な言葉に考えさせられた一コマでした。
さて、現在平和のまちミュージアムでは、開館1周年記念企画展「B-29がやってきた ~北九州初空襲~」を開催しています。その中で展示している婦人倶楽部昭和19(1944)年8月号(写真)には、北九州空襲の際、現場に赴き、当時の状況や被害等を調査した陸軍の浄法寺朝美による「北九州空襲の教訓」が掲載されています。展示しているのは、見開き1ページですが、実は、この記事は見開き2ページ半の分量があります。
展示できなかった続きの部分には、「信念は被害を少くする」という小見出しのもと、気持ちの動揺が死傷の原因であるということも書かれています。また、中学2年生以下の子どもたちが、防空訓練を活かして良い働きをしてくれたと称賛されています。このように、具体的な防空対策だけでなく、心情に訴えかける方法で、国民を鼓舞しました。
7月半ば頃までスタディツアーの予約が多く、とりわけ平日の午前中は混雑しています。ごゆっくり見学されたい方は、夕方もしくは休日のご来館をお勧めいたします。
(学芸員M)