北九州市平和のまちミュージアム
  • 営業時間 9:30 ~ 18:00
    入館は 17:30 まで

    学芸員日記

    博物館実習の様子

    2024/09/27

    No. 98 令和6(2024)年9月27日

     今年は、福岡大学と北九州市立大学から計2名の学生が、当館へ博物館実習に来てくれました。台風の影響により日程の変更もありましたが、一つ一つの実習に真摯に取り組んでいただき、担当者として嬉しい限りでした。
     実習では、「北九州の近現代史」、「資料保存」、「平和のまちミュージアムの展示、企画展」などの座学を行ったのち、展示案内や資料整理を実際に体験してもらいました。小学生からご年配の方までさまざまな人を対象とした展示案内では、対象者に伝わりやすい話し方や内容など、さまざまな工夫が見られました。思わずうなってしまうほどのユーモアあふれる解説も飛び出し、学生ならではの良い視点は、私も積極的に取り入れていこうと思いました。

     また、今年は北九州出身以外の学生もいたため、小倉城にある第12師団司令部正門、大手町公園にある防空監視哨、給水塔のレプリカなど、当館周辺の歩いて行ける戦跡も巡りました。
     他館実習では、八幡東区にある「北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)」を訪れ、歴史課の学芸員より博物館の概要や特徴、現状と課題を学びました。また、平和のまちミュージアムでは所蔵が少ない掛け軸や巻物の取り扱い方法を学び、実際に体験してもらいました。慣れない作法と貴重な資料を扱うという緊張からか、実習生の手が震えており、見ている私も緊張してしまうほどでした。

     去年に引き続き、最終課題としていた企画展示の考案では、藤田哲也博士と長崎原爆の関係をテーマにしたもの、北九州における戦後の引揚・復員をテーマにしたものと、それぞれの興味関心をうまく当館の展示に沿った形に仕上げてくれました。
     あっという間の実習期間でしたが、少しでも多くのことを得ようと真剣に取り組む様子が、実習日誌からもうかがえました。私たち学芸員も実習生から学ぶことがあり、良い刺激になりました。さまざまな進路があるかと思いますが、この経験がどこかで役に立つことを願っています。

    (学芸員M)

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